いちょう



いちょうの木にはオスとメスがあるのだそう。
オスの木は、枝が上に向かって伸びるため縦長でスマートな形をしているけれど、メスの木はこんもり広がった形をしている。

JOJOのお散歩コースに一本のいちょうの木がある。
それはそれは大きな、メスの老木。秋になってすっかり葉が落ちたその枝に、今まで葉に隠れていた鳥の巣を見つけた。それも二つも!
近くに手頃な木はいくつもあるのに、あえて朽ち果てそうな一本を鳥たちが選んだのは、その古いいちょうに母なるものならではの居心地の良さを感じたからではないかしらん。そう思うと、彼女がたわわに実らせたギンナンの実が、地面にこぼれ落ちては、道行く人々に無残にも踏みつぶされて点々と染みを作っているのがなんとも憐れで、無精をせずに、数粒でも拾って食卓にのぼらせれば良かった、と今更ながら申し訳ない気持ちになるのでした。

誰にも知られずとも、誰にも褒められずとも、ただただ自然のコトワリに沿って、毎年命を育んではひっそりと朽ち果てていくいちょう。痩せて節くれだって、今にも倒れそうだけれど、その姿は、いつも不平不満ばかりこぼして子育てしている私の数百倍、美しい。
Posted by Picasa

2 comments:

Anonymous said...

いちょうはオスメス途中でかわったりもするらしいよ!
不思議な木だよね。
お時間あるときに遊びにきてもらえるの楽しみにしてるよ~

maikero said...

ええっ 入れ替わりなんてすごいね!
東京の立派で形のそろった銀杏並木に比べると、こちらのはなんだかぼくとつとしていて、それはそれで味があります。
早く会いたいわ~